引っ越しから3週間

自分の単身の引っ越し、妻と息子の新居への引っ越しをして3週間が経った。

やっとお互いの生活リズムができてきた感じか。

しかし向こうは実家を出て、3歳の息子と朝から晩まで一緒である。

船橋でも息子が幼稚園に入るまではそうであったが、今はそれに加えて庭の手入れ

という仕事が増え、かなり大変そうである。

家も大きくなったが、今のところ1Fと、2Fの洗濯物を干すバルコニーしか

使っていないので、掃除がどうこうという話は出てこないが・・・

まぁ、仕事が終わっても俺が毎日家に帰ってくるということがなくなったので、

ちゃんとした夕食を用意しなければならない、という仕事が減ったはずである。

船橋にいるときからたびたびそういう話をされていたので、俺が夜のわずかな時間

家事などを手伝ったりできなくなったことを差し引いても楽になったのだろうか?

 

俺も、今日という日を迎えるまで、休日はなにかしらやらなければならないことに

追われていた。といっても細かい手続きや買い物だが、やはり新しい生活を

始める際には何かと物入りだ。向こうももちろんそうなのだが。

向こうでは庭用の石だとか除草剤だとか、予備のタイヤなどを入れる物置など、

人生において一戸建てで暮らしたことのない俺にとっては未知の買い物だ。

そういうことにピンとこない俺を見て妻がイライラしてるのはあるかもしれない。

 

ご近所付き合いの密度も比較にならないのはわかる。これから妻と息子は

ずっとこの土地に住み続けるのだ。町内会の行事もあるだろう。

 

 

だから、「どちらが大変か」ということは単純比較できない。

そういう話になると間違いなく険悪になる。それはどんな夫婦でもそうだろう。

今まで、病気だったりしてややこしい大変さだったのが、

息子と二人きりで家庭を運営する妻・孤独と闘いながら独り身で働き続ける夫

という、よくある夫婦の話になった。

 

ここからは本当に、表に出せない愚痴になっていくが・・・

果たして、世間では一般的にどちらが大変とされるのか。

「大変」さで考えれば確実に妻のほうだろう。

息子はわんぱく坊主である。目を離すと何をするかわからない。

突然夜泣きしたりすることもある。ご飯もなかなかちゃんと食べてくれない。

言葉でコミュニケーションが取れるようになったとはいえ、それ故に反抗することも

増えてきた。それも成長の証ではあるのだが。

 

しかしながら、俺のほうが「辛い」。

三歳の息子と離れて暮らす。それ以上に父親にとって辛いことがあるのだろうか。

本音を言えば、もうそれだけで他の大変なアレコレは帳消しにしてもらっても

いいんじゃないかと思ってしまう。

向こうからすれば、独り身は気楽でいいわよね、と思うのかもしれない。

しかし、家を買うと決めてから初めて自由になった今日、

寂しさが身に染みる。

俺がローンを組んで買った家も、車も、今のところ俺自身が使う予定は

あまりない。車はまだ使うかもしれないが。

自分の家なのに日帰りで帰らなければならないのは辛い。

息子はどう感じているのだろうか。

自分の感情を押し殺すことを三歳にしてもう身に着け始めているのが、

ありがたくもあり、悲しくもある。

「しごといかないで」といくら言っても家を出て行ってしまう父親の背中を

彼はどういう気持ちで見つめているのだろうか。

 

31歳になり、涙腺が弱くなった。

息子につられて俺も泣くようになった。この文章を書いているだけで涙が出てきた。

 

今は、顔を合わせるたびに喧嘩をしてしまうので、帰ってくるのは週に一度に

してくれと頼まれた。

なんてひどい話なんだと思ったが、また喧嘩してしまった。

確かに今は少し距離を置くべきなんだろう。

時が経てば、また状況が変わるだろう。

 

俺の住む町のいいところは、夜中でも家系ラーメンを食べられるところだ。

ラーメンにニンニクを入れて、明日も頑張ろう。