カッコよく言えば己と向き合うということ

先日、妻に付き添って精神科に行ってきた。
回復傾向にあるのでとりあえずは良しとする。

妻がプレッシャーを感じる根底には、
「やらなきゃ」と常に追い詰められている心理状態がある。
誰かに怒られるわけではない。
誰かに責められるわけでもない。
端から見ればそんなこと後回しでいいだろう。
面倒なら手を抜けばいいだろう。

でも、妻の中にはそれを邪魔する何かがいるのだ。

精神科の先生は言っていた。
「やらなきゃ」を「やりたい」に変えていくのだと。

…難題である。

人のことは変えられない。
だから自分で変えるしかない。

私は自分を変えようと思ったことがない。
悪いところもたくさんあるが、
自分が好きだからである。

そんな私の頑なさが妻を
傷つけてしまったのかもしれない。
それでも私は自分を変えるつもりはない。
そうやって自分を守らなければ
今度は自分が傷ついて倒れるからである。

妻は自己評価が低い。
なのにプライドは高い。

幼い頃から誰かに馬鹿にされてきた。
でも勉強などの努力で結果を出してきた。
努力が妻の盾だった。そして誇りだった。
努力しないことは盾を捨てることに
他ならないのだ。

私は運動は苦手だし、
勉強も飛び抜けてできるほうではなかった。
顔がいいわけでもない。

ただ、運が良かったのはなにかを全力で
演じれば誰かが笑ってくれることを
幼い頃から知る機会に恵まれたことだ。

舞台で何かを演じて
誰かが笑ってくれることが
自分のアイデンティティだった。
なにより楽しかった。


自分に価値がないと思い込むのは
悲しいことだ。

最終的にパニック障害を克服するには
自分を好きにならねばならないのだろう。